報告:第十二回「層・圏・トポス  現代的集合像を求めて」勉強会

2009年10月24日(土)に第十二回「層・圏・トポス  現代的集合像を求めて」勉強会を行いました。計5人で13時から20時まで行いました。

p11-p16の前層、層を読みました。

はじめにのところに面白いことが書いてあります。

p9

直観論理はもっと人間的な論理です。もう少し詳しくいえば、勝手な命題φをとったときに、我々人間はφが正しいか偽かを確かめる方法をもっていないので、φが正しいか偽であるかという命題は我々が真偽を確かめて行く立場から無意味な命題になってしまいます。
少し大ざっぱな言い方をしますとφが成立するということを"φを確認する方法をもっている"といいかえたときに出てくる論理が直観論理です。

僕は自然に対してどんな操作を許すかと言う立場で物理をやってみたいと思っています。状態とは操作と対になるもので、どんな働きかけをすることができるかによって、状態の意味が変わってくるのだと思います。

統計力学では、巨視的な制約条件によって異なるアンサンブルをとります。あのアンサンブルのとり方に要求されている最低限の制約は何でしょう?僕は統計力学で要求されてるのは分散と平均値と呼ばれる統計量を取り出すことだけだと思います。状態からマクロな物理量を取り出すことを考えたときに、統計力学は余分な条件をつけすぎているように思えます。

こういうことを考える為の数学が層圏トポス勉強会で身についたら良いなと思います。

関数型言語の背景を理解したい人もいたり、計算機科学のモナドを理解したい人も居ますが、論理のプロセスを考えることと物理学の操作を考えることは、似たようなところに問題意識があるのかも知れません。

ただ、一つ気になることがあります。圏論は結合律が成り立ち恒等射が存在するものなら全て考察対象になりますが、現実の世界で結合律とはどれだけ一般的な概念になりうるのでしょうか。

これは、Ranhaさんが、層圏トポス合宿で言ったことですが、すごく気になります。

物理学は古典論から量子論に移行するさいに可換性をすてました。量子論にしても古典論にしても結合律は捨てていません。もっとも、そういうものを捨てた物理学を考えた人もいるようですが、どこまで成功したのかは知りません。

まったりと、考えてみたいと思います。

最近は他の参加者が予習をしてくるようになり、勉強になります。



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写真はotoさん
第12回 層・圏・トポス読書会 | Flickr

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次回は、11月14日(土)@慶應大矢上キャンパスです。