小室哲也裁判記録 immature≒pure=creativeness

小室サウンドが流行ってた頃、僕は中学生だった。TRFやglobeのCDをもっていて、よく聞いてた。高校生のころはもっぱら洋楽を聞いていて、邦楽はきかなくなってたけど、去年の夏ぐらいは、globeの曲を聴いてた。

曲を聴いていて、小室哲也はすごかったんだなと思っていた矢先に、小室逮捕のニュースが‥

正直びっくりした。

一連の報道をみて、小室哲也は人間として"pure"だったのかもしれないけど、同時に"immature"だったのかもしれないと思った。

裁判記録を読むと、お金でよくない人達がまわりに群がるようになり、傲慢になっていてダメになっていく様子がわかる。

それとエイベックスの社長と副社長が小室を再生させようと力になろうとする姿をみて、道義的な正しさを持ち合わせていて、本当に音楽が好きな人たちなんだなと思った。

pureじゃないとcreativeになれないのは本当にそうだと思う。

手塚治虫は最後の最後まで作品を書きつづけることができた。pureであることを維持できたからだと思う。晩年、病に侵されながら、「アイデアはいっぱいあるんですよ。安売りしたってかまわない」と言っていたのが印象的だった。


裁判記録の引用

(1)エイベックス社長「小室さんは金が入って傲慢に…」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000537-san-soci
 
 弁護人「エイベックスは、小室さんとの間でどのような仕事をしていましたか」

 松浦社長「当初は、私どもは洋楽をやっていてほとんど邦楽はやってなかったのですが、初めて小室さんと千葉副社長の3人で手がけ、ダンスブームを作り、TRFらを送り出しました。(小室被告とは)四六時中、一緒でした」

 弁護人「小室さんの会社への貢献はどうでしたか」

 松浦社長「私どもが上場する3、4年前は、売り上げに占める小室さんの割合は70%を超えていました」

 弁護人「なぜ疎遠になっていったんですか」

 松浦社長「1992年ごろ、TRFがデビューしたころは四六時中、一緒にいました。しかし、小室さんのスタッフの入れ替わりが激しくなり、小室さんの収入も増えて他のレコード会社との契約が増えていきました。新しいスタッフは正直、合わなかった。それに、小室さんも傲慢(ごうまん)なところが出てきた。これ以上の付き合いは難しいと感じました」

 《かつてのビジネスパートナーから厳しい言葉が飛ぶ。しかし、小室被告は特に松浦社長と目を合わせることもなく、視線を宙に置きながら静かに証言を聞いている。松浦社長はさらに、当時の小室被告の様子について、こう感想を述べた》

 松浦社長「金が入ったりすると人は変わってくるのかな、と残念に思いました」

(2)「浜崎あゆみ倖田來未も小室さんなしには生まれなかった」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000544-san-soci

 弁護人「大きな金額ですが、支援の動機は」

 松浦社長「小室さんは保釈後に(千葉)副社長の家にいて、いろんな話をしました。迷惑をかけたこととか、音楽の話です。そして、ある日、ピアノを弾きたいと小室さんが言い出した。副社長の家にはピアノがなく、会社が経営するレストランにはグランドピアノがあるので、閉店後に連れて行きました。小室さんは朝までそのピアノを延々と弾き、メロディーを奏でた。そのとき、『この人は本当に音楽が好きなんだ』と思い、一緒に音楽を作った昔のことを思い出しました。音楽を知らない僕たちに教えてくれたのは小室さんだった。小室さんがいなければ今の自分も会社もなかった。ELTやEXILE、浜崎あゆみ倖田來未なども小室さんなしには生まれなかった。小室さんは僕の恩師です」

(3)「小室さんのピアノ聞き(弁済費用の)工面を決意」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000549-san-soci

 検察官「事件はすべて、周りの人間のせいだと思いますか」

 松浦社長「すべてとは言いませんが、僕たちと一緒に仕事できるタイプの人たちではありませんでした」

 検察官「小室被告自身がそういう状況を作ったとは思いませんか」

 松浦社長「小室さんというネームバリューやお金に寄ってきた人たちのようにしか見えませんでした」


 裁判長「CDを作らなかったのは、小室被告の才能が枯渇したわけではないのですか」

 松浦社長「枯渇というより、経済が逼迫していればクリエイティブな仕事をするのはお金に追われていればできません。自分にも経験がありますが、小室さんも同じだと思いました」


(4)居候先の副社長証言「周囲に『よろしくない人たち』がはびこった」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000550-san-soci

 裁判長「小室被告をアーティストとして再生させたいと考えますか」

 松浦社長「はい」


 弁護人「現在、小室さんはどこにお住まいですか」

 千葉副社長「私の自宅です」

 弁護人「どういう気持ちからご自宅を提供されたのでしょう」

 千葉副社長「KEIKO様から依頼があったことに加え、小室さんにいろいろな恩義があったからです。立ち直ってほしいという僕自身の思いもありました」

 弁護人「小室さんが暮らしている部屋は」

 千葉副社長「地下に小さな部屋がありまして、そこで」

 弁護人「証人からみた保釈中の様子はどうですか」

 千葉副社長「最初の1カ月くらいは非常に大きなショックと困惑が見て取れました。しかし、その後は、『どうしてこのような事件が起こったのだろう』と尋ねてきたりして、今後自分がどのように生きていけばいいのかを考えているように見受けられます。音楽の市場のこととか自分の(世間からの)見え方とか、そういった質問を受けることもあります」


 弁護人「最近の小室さんとの仕事は」

 千葉副社長「ほとんどございません。たまに音楽イベントに出てもらうことはありましたが」

 弁護人「どうしてそうなったのでしょう」

 千葉副社長「ヒット曲を出し、世の中で『プロデューサーとして君臨している』といわれるようになったころから、慢心のようなものが感じられるようになり、僕から見て『よろしくない人たち』が周りにはびこるようになりました。そして次第に疎遠になっていきました」


(5)「才能は落ちていない。これからも花が開く」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000555-san-soci

弁護人「一緒に仕事をされて途中で疎遠になっていったと。小室さんの音楽的才能についてはどう評価しますか」

 千葉副社長「日本においてはたぐいまれな才能を持つ音楽家です」

 弁護人「事件があって、その後の評価は変わりましたか」

 千葉副社長「評価としては変わらないし、世間一般にも変わったとは思いません」

 弁護人「その理由は」

 千葉副社長「音楽を作る力、その姿勢はピュアな気持ちでしか作れない。詞やメロディーにこもっているものは今後も残っていくし、作品が与える影響から評価は変わらないと思います」

 弁護人「再び事件に関与するという点についてはどうですか」

 千葉副社長「僕はないと思っています。一緒に住んでいるが、心の変化とか反省の仕方とか深く感じている。自宅でピアノやギターの前で音楽を作っている姿勢を見ると、才能は落ちていないし、これからも花が開くと思う。今までいた周りの人間が一掃されたのも大きな要因。エイベックスも小室さんのやることを応援し、経済的にも支えられると思います。今後このようなことがないことを確信しています」

 弁護人「証人としては自宅に住まわせて仕事の面倒もみて、個人としてアドバイスするなどそういう気持ちなのでしょうか」

 千葉副社長「できることすべてをやろうと思う。会社としても個人としても小室さんに役立つことすべてをやろうと思っています」

 《微動だにしなかった小室被告も、ここで小さく2、3回うなずいた》



 千葉副社長「仕事で支援して、ヒット曲を生み返済に回す。時間がかかるかもしれないがそうさせます」

 検察官「これだけ借金があり、金銭目当てに近づいてくる人もいると思いますが、またこういう詐欺とかお金に困ってそうならないといえるのでしょうか」

 千葉副社長「ならないといえる。本人は反省しているし、警戒している。アーティストはマネジャーを介して接触するが、マネジャーにも僕らの人間を付け、報告させる仕組みを作ります。楽曲のヒットで収入の道が開ける」


(6)「小室マネー」の話に動揺? 目をパチパチ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090312-00000564-san-soci

 千葉副社長「ピュアな部分がないといい曲は作れない。曲を作るときはそういう(ピュアな)気持ちで作ったと思います」

裁判長「音楽の専門家からみて、被告と疎遠になった後は、曲作りなどに変化はありましたか」

 千葉副社長「疎遠になった後、曲や詞のクオリティが下がってきたなと思いました」

裁判長「エイベックスでプロデュース契約を結んだがあまり曲を作らなかった。そのあたりはどう考えますか」

 千葉副社長「よくない人間が周りにいて、傲慢(ごうまん)な精神になっていてなかなか作れないだろう。困ったなと思いました」

 裁判長「松浦社長から曲作りを再開していると聞きました。証人は(曲を)聞きましたか」

 千葉副社長「はい」

 裁判長「専門家からみて内容は」

 千葉副社長「曲はいいです。今回の件が起こり、反省してリセットできたし、周りの人たちがいなくなったので、ゼロから進もうという気持ちが現れていると思いました」

 裁判長「同じことが今後起きる可能性は少ないと」

 千葉副社長「未来を作っていかなければならない状態で、そういうときはエネルギーがあります」