ゲーデルとか

ゲーデルの話は手続きに関する問題なのだから、コンピューターの話に落としたほうが簡単だという感想をもっているが、なかなかそういう観点で説明してくれる本がない。

ゲーデル数というものがあるが、これは素因数分解の一意性を使って論理式を数字に置き換える方法だ。数字と論理式の対応を一対一に保証するために素数の性質が使われているだけで、素数であることは本質ではない。

こんなものはASCIIコードで十分だ。ゲーデルの話はアドレスと機械語のセットになんらかの操作をしたときに、どういう出力を出すのかという問題に同値だ。

述語論理は無限の対象をどう有限のコードで記述するかという論理で、ちょうどコンピューターで無理数をどう記述するかという話につながって面白い。

πとか√2とかが無理数だけど、これは有限の文字で無理数を扱えるものがあるという例になっている。もちろん、すべての無理数を有限のコードで記述できるわけではなく、特殊な性質(計算可能実数)を持つものだけが無理数を扱うことができる。

量化記号は、無限大とか無限小の概念をεδ論法で表現するのではなく、数の体系に無限大と無限小を組み込んだ超準解析に似ているようなところがある。


ゲーデルの第一不完全性定理は、

1 数学が述語論理で記述できると仮定する。

2 量化記号を使うと非可算無限以上の無限について言及することができるようになる。しかし、述語論理が非可算無限を対象と論理体系でありながら、高々可算無限のコードで言及できるのは性質の良い非可算無限の一部に過ぎず、しかもそれらは結局は可算無限個のコードで記述でき、閉じてるいる。

3 述語論理の対象とする非可算無限の系でコードに落とせないものが存在する。つまりそれは数学で言及できない(証明不可能)ものがある。

といったところではないのだろうか?

もしそういうことなら、実数が有理数より大きな無限であることを証明したように、対角論法に持っていって、「非可算無限は可算無限とは一対一にならないよね。」と言えば良いだけだ。

まだまだ俺の理解は不十分なので、こういうことをまとめて説明してくれる素敵な本はないのかなぁ。



と思ったら、あった。
「数の体系と超準モデル」
http://www.shokabo.co.jp/mybooks/ISBN4-7853-1530-X.htm
これでも読むか。

あー、時間が欲しいよ。
精神と時の部屋があれば一年くらい篭って修行するよ。


そういえば、myminicityの住人が増えてきた。これからもよろしくお願いします。
http://hirokif.myminicity.com/

ホール効果の勉強だけど、昨日から始めた。
波動関数の群速度が電子の実体の速度とか、有効質量の話とか何気に面白い。

大学3年生を毎週一回6人づつ教えることになるけど、単調な研究生活には、こういう機会は刺激を与えてくれるのかなと思う。