気体分子論に対する懐疑

街をつくってみた。
http://hirokif.myminicity.com/
たぶん異なるIPのクリックをカウントしているのだと思う。
一人でひっそり住んでるので立ち寄ってください。立ち寄ってくれたら、家と畑をさしあげます。

昨日は寝ようとしたら、ナビエ-ストークス方程式の粘性項が気になってしまった。
そこで、ググったのが運のつき。
wikipediaが引っかかったのだが、非圧縮流体の式しか書いてないし、ナビエ-ストークス方程式の導出も気になってきた。

で、見つけたのが、
http://repo.lib.yamagata-u.ac.jp/bitstream/123456789/1242/1/kiyoue-24-2-05.html

山形大学の先生が、ナビエ-ストークス方程式の導出について考察した文章だけど、内容をまとめると、「今までの導出の仕方ってちょっと無理がありませんか?気体分子論的に考えて導出してみましょうよ。」ってな話。

これと同じ方法の相対性理論バージョンを昔(去年の夏)考えたことがあるので、個人的には新しいことはないんだけど、同じことを考察している人がいたのを知ると、自分の考えが誰かと共有できるものだと分かり、安心する。

しかし、僕は去年の考察の中で、気体分子論的な方法に懐疑的になった。

粘性係数にはずれ粘性係数と圧縮粘性係数があるが、山形大学の先生の論文をみれば分かるように、この方法では粘性係数はずれ粘性係数しか出てこない。これは相対論化した僕の考察でも同様だ。

気体分子論の最大の欠点は、粒子描像にある。N個のの粒子があると物理系は3N次元の線形空間になる。つまり物理系を3N個のモードに分解できることになる。これが相互作用の本質を考える上で非常に都合が悪い。

相互作用を数式で表現すると、非線形項が必要になり、そのような系を単純にモードで分解することはできない。統計力学や気体分子論は基本的には何かしらのモードに分解できることを仮定しているので、相互作用のある系を正しく記述できていないというのが、僕の漠然とした印象だ。

ただ、平衡系や希薄気体では相互作用が無視できる状態にあるので、統計力学や気体分子論は説明としては間違っているが、正しい結論を導く便法にはなっているのだと思う。

Causal Thermodynamicsや非平衡統計力学の多々の研究が上に述べたことに注意が払われてなく、本質をはずして議論がされているような感じがする。

そういえば、ランダウの物理学小教程が筑摩から文庫で出版されていた。後半の場の理論を読んだけど、電磁気の説明がすばらしすぎて感動した。特に繰り込みに関するさりげない記述にしびれた。1500円と安いので興味ある人は読んでみてはいかがですか?