熱力統計

オンサーガーの仮定について

ちょっと思ったことをメモがわりにつらつらと述べようかと思う。オンサーガーの相反定理(1931年)というものがある。オンサーガーはこれでノーベル賞をとったし、相反定理はそれに値するすばらしい業績なのだが議論の展開に少し気になるところがある。オンサ…

熱力学、統計力学、情報理論

熱力学とは正月に実家に帰った時に親に質問された。「エネルギーEとエントロピーSは何が違うのか。」 この質問はこう言い換えても良い。「エネルギーEと温度Tは何が違うのか。」これは僕が小学生の時に抱いた疑問でもある。温度Tが高いと物体のもつ内部エネ…

物理と論理

数理科学11月号(物理と論理)がおもしろいと聞いたので、池袋のジュンク堂で買う。前半のメモ慣性と慣性系の存在について 岡村 浩 ニュートンのバケツについて 宇宙全体の星が一定の角速度回転している場合、その一般相対論的な効果で遠心力とコリオリ力が矛…

非平衡統計力学の摂動展開に対する疑問。

文化祭とやらがあって大学はしばらくお休み。学部の授業の手伝いとかしなくてすむから、ゆったりと時間がとれる。で、研究をしていた。自分の研究では熱力学的な考察と相対性理論だけで統計力学を使っていないのだけれど、非平衡系の研究の統計力学的なアプ…

エントロピーの階層性

いや、あんんまり意見がまとまってないんだけど、気になったから書こう。量子情報と進化の力学 / 大矢雅則, 小嶋泉編著で大矢さんの書いた部分でこんなことが書いてある。p37 物理学ほど秩序とか混沌さ、不確定さとかいう概念と長くつき合っている学問はない…

情報エントロピーと熱力学エントロピー

粗視化、量子消しゴム、エントロピー - hiroki_fの日記 の続き。情報エントロピーと熱力学エントロピーは深い関係にある。しかし、統計力学の教科書を読んでもこの事を書いてあることはあまりない。統計力学は、kをボルツマン定数として、系の持つ状態数Ωと…

粗視化、量子消しゴム、エントロピー

うーん。まとまった内容が書けるかどうか分からないけど書こう。日本語へんかも。なんでこの記事を書こうと思ったのは、統計力学で広く流布しているトンチンカンな説明に物を申したくなったからだ。この思いは止まらない。ファインマンの「物理法則はいかに…

カノニカル分布の導出

さて、いよいよカノニカル分布について。 カノニカル分布について、描いていた構想があったのだが、いざ書こうとすると、もっと良い方法があるのではないかと思い、筆が止まってしまった。でも、もう大丈夫。自分的にはまぁまぁ満足できる説明ができそうだ。…

カノニカル分布にむけて。

いよいよカノニカル分布に向けて話をしよう。 これは KTln2 - hiroki_fの日記 統計力学 - hiroki_fの日記 エントロピー - hiroki_fの日記 S=k_B log Ω - hiroki_fの日記 熱力学 - hiroki_fの日記 からのシリーズ物です。 カノニカル分布について説明しようと…

熱力学

これは KTln2 - hiroki_fの日記 統計力学 - hiroki_fの日記 エントロピー - hiroki_fの日記 S=k_B log Ω - hiroki_fの日記 からのシリーズ物です。なかなか、カノニカル分布の話に行き着かない。この文書を書くようになってから、熱やエントロピーについて自…

S=k_B log Ω

いよいよ統計力学の本質に迫っていく。 これは KTln2 - hiroki_fの日記 統計力学 - hiroki_fの日記 エントロピー - hiroki_fの日記 からのシリーズ物です。 系のエネルギーU、体積V、粒子数Nが与えられた時に、熱力学的な情報はエントロピーS=S(U,V,N)に集約…

エントロピー

うーん、統計力学について何かを書くぞーと宣言してしまった手前、何も書かないのはどうかと思うので、何か書こうと思う。あーだこうだ。頭の中でごちゃごちゃ考えても仕方がないし、とりあえず書いちゃえ。マクロな状態を特徴づける量にエントロピーがある…

統計力学

先進的な統計力学の教科書が相次いで出版されている。 統計力学再入門 ベータ版1 Equilibrium statistical mechanics ― a second introduction 大野克嗣 http://webusers.physics.uiuc.edu/~y-oono/SecondSMJ.pdf統計力学 未完成公開版 田崎晴明 http://www.…

KTln2

檜山さんが面白い日記どこが面白いの?可逆計算 -- コンピューティングと北極グマ - 檜山正幸のキマイラ飼育記を書いていたので、それに関連して、 Szilard's engineの有名な式、 について、何かが言いたくなった。ことの発端はマクスウェルが提案した一見熱…

物理をやること

相対論的熱力学の研究をしている。熱力学を相対論化する目的は、ざっくばらんにいうと因果律を考察することだ。通常の熱力では拡散方程式が因果律をやぶってしまう。拡散方程式とは、 という形をしている。この解は、3次元の場合について、 となる。初期条件…

エントロピー

シャノンエントロピーって難しい。シャノンエントロピーを連続量にすると、∞に発散してしまう。発散を取り除く為に定義を変えると、今度は負の値が出てしまう。一方、熱力学では、熱力学第三の法則により、S≧0になる。確率論的なシャノンエントロピーは自然…

最近、ちゅうとはんぱな日記になっている。

測定理論でも勉強するか。 Quantum Zeno effect by general measurements http://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/PhysRep412%282005%29191.pdfhttp://as2.c.u-tokyo.ac.jp/archive/amo2007added.pdf線形応答理論にしても、ボルツマン方程式にしても、結局は摂…

猫と熱

深夜でちょっと眠いけど、ブログを書いちゃおう。変なことを書いてしまいそうだけど、そんなの関係ねぇ。アクセス解析をしてみた。予想通り、ネーターの定理で来る人が多いみたい。中途半端な記事で申し訳ない。ちゃんと書こうと思っているのだけど、リアル…

ちょっと思うところ

ネーターの定理は重力場ではどのように理解されるかという文献を読んだことがない。もしかしたら、誰かがやっているのかもしれないけど、重力場がゲージ場として、かけるなら。 =(ミンコフスキー空間)+重力場との相互作用+重力場 となるはずであり、xに作用…

H定理

H定理(1872年)の批判で、ロシュミットによる批判があるけど、 「時間対称的な力学から不可逆過程が導かれるはずがない、どこかに間違いがあるはずだ」 ボルツマン方程式は散乱を分布関数で扱っているので、力学系ではなくなっているんだね。量子論では散乱は…

気体分子論に対する懐疑

街をつくってみた。 http://hirokif.myminicity.com/ たぶん異なるIPのクリックをカウントしているのだと思う。 一人でひっそり住んでるので立ち寄ってください。立ち寄ってくれたら、家と畑をさしあげます。昨日は寝ようとしたら、ナビエ-ストークス方程式…