告知:幾何と物理の超informalな勉強会

超インフォーマルだけどやります。気楽に議論に参加しにきてください。参加お待ちしてます。
飲み会もやりますよ。

幾何と物理の超informalな勉強会

日程:3月26日 土曜日
時間:13時半から17時半
場所:慶應大学矢上キャンパス(日吉駅から徒歩7分)
部屋:14−211

暖房が効きにくい可能性があるので、それなりに温かい格好してきてください。

time table
13:30-14:20 深川宏樹 「粘性流体の変分原理」
14:40-15:00 村田宗一「Lie対称性を用いた微分方程式の相似解の構成法」
15:20-16:10 後藤振一郎 「古典電磁気学の媒質中でのストレスエネルギーテンソルの決定法の提案」
16:30-17:20 鹿野豊「Time Travel in Quantum Mechanics?」


待ち合わせ 13時10分に日吉駅改札前(銀の玉のオブジェ前)集合 僕がボードを掲げます。

ATNDを作ったので登録してください。参加者を把握するためです。
http://atnd.org/events/14013

講演内容:

深川 宏樹 
粘性流体の変分原理
変分原理からNavier-Stokes方程式を導きます。散逸系の変分原理ですよ。いろいろ使えるかも。流体に限定しないで、散逸系の変分原理の一般論をメインにしようかと。難しい数学はない。


村田 宗一
Lie対称性を用いた微分方程式の相似解の構成法

(a) アブストラク

 流体力学などでは様々な相似解が知られており、次元解析や物理的考察、相似解の仮定を置くなどして求められてきた。
 一方で、Lie群微分方程式へ応用することで、対称性という統一的な枠組みの中でシステマティックな方法により相似解の構成することができる。
 本発表では、KdV方程式を例に、Lie対称性と相似解の構成法について紹介する。

・綺麗な資料につくる時間はないので、簡単な手書きノートorその場で黒板に書きます。
・初歩的な事項から話をします。
・数学的な部分は置いといて、やってることのイメージをつかんでもらえるように話します。


後藤振一郎
『回転する非均質媒質の古典電磁気学-- アブラハムとミンコフスキーの媒質中のストレス-エネルギー-運動量テンソル --』

後藤振一郎、ティモシー J ウォルトン、ロビン W タカー

要旨:

マックスウェル方程式で記述される古典電磁気学は理工学の基礎をなす。
種々の応用のためにもその基礎理論の徹底的理解が期待され、長い研究
の歴史がある。真空中の電磁場の運動量は本質的にポインチングベクトル
であることが知られている反面、媒質中(もしくは物質中)の電磁気学において、
電磁場の運動量を如何に定めるべきかは未だに判明していない。種々
の運動量が提案され、様々な議論が現在までなされてきた。これは
アブラハムとミンコフスキーの論争」と呼ばれ100年以上議論されている。
この媒質中の電磁場の運動量に関する論争は、電磁場に対する媒質中の
ストレス-エネルギー-運動量 テンソルの正しい形が分かっていないことに
起因すると言っても良い。何故なら一般に相対論的な連続体力学の枠組みに
おいて、場の運動量はストレス-エネルギー-運動量テンソルの一部として記述
されるからである。

今回我々は媒質中の古典電磁気学に対して、どの ストレス-エネルギー-運動量
テンソルが正しいかを判定するための実験を提案する。まず、与えられた
ストレス-エネルギー-運動量 テンソル から媒質に働くトルクを求めるための
理論的計算の枠組みを微分幾何学のの数理的言語を用いて開発した。次に
我々の開発した計算法を用い、一定の角速度で回転する非均質誘電体に
電磁波を照射する系において、トルクのテンソル依存性を見出した。
具体的に用いたテンソル
(i) アブラハムの提案したテンソル
(ii) ミンコフスキーの提案したテンソルを対称化したもの
である。

将来、この理論的に導かれたトルクと実験を比べることにより、
どのストレス-エネルギー-運動量テンソルが正しく媒質中の
電磁場を記述するか判明するであろう。

鹿野豊
タイトル:Time Travel in Quantum Mechanics?
アブスト
Einstein方程式の解は時間閉曲線をもった時空をも許す。しかし、これには「親
殺しのパラドックス」に代表されるような矛盾を含む状況を考 えることができ
る。それを量子力学を使って解決しようとした研究がなされてきた。代表的なア
プローチとして、量子力学の原理の中に最大エントロ ピー原理を課したDavid
DeutschによるものとPost-selectionに起因する非線形によるものがある。我々
は後者の事例に関して考え、Post- Selectionによるアプローチは、実際にTime
Travelをしているのではなく、Time Travelをしているように解釈しても矛盾が
ないということを主張する。また、Post-Selectionのアプローチは量子テレポー
テーションのア イディアに起因しており、因果律との関係を述べたいと思う。
線形代数の知識で理解できるように話す。