ゆらぎについて、気になること
昔、物理学会の乱流のセッションで、ある人が「乱流の理論は30年間全く進んでない」と言って場内をざわつかせたことがあった。意味のあることをするのは分野によってはかなり難しい。
ここしばらく、量子力学の不確定性原理が数学的にはフーリエ変換の不確定性原理にすぎず、同様の数学的な構造が量子論とは関係なしで熱ゆらぎについても言えるのではないかというアイデアに取り憑かれていた。
量子力学の不確定性原理は、物理量の観測値がプランク定数hのオーダーで揺らいでいることを意味し、熱ゆらぎも、ボルツマン定数×温度のオーダーで揺らいでいることを意味する。
まぁ、分配関数を経路積分で表すなどのことは、はるか昔にファインマンによってやられているのではあるのだが、僕が求めているものとは違った。量子力学のどこまでが確率論であり、どこからが量子論と呼ぶべきものなのか切り分けとかが気にはなる。