バイオリンの音色について

こんな記事を見つけた。

バイオリン名器の音色、現代モノと大差なし?

ワシントン=山田哲朗】何億円もすることで有名なバイオリンの名器「ストラディバリウス」や「ガルネリ」は、現代のバイオリンと大差ないとする意外な実験結果を仏パリ大学の研究者らが3日、米科学アカデミー紀要で発表した。

 研究チームは、2010年、米インディアナ州で開かれた国際コンテストに集まった21人のバイオリニストに協力してもらい、楽器がよく見えないよう眼鏡をかけたうえで、18世紀に作られたストラディバリウスや、現代の最高級バイオリンなど計6丁を演奏してもらった。どれが一番いい音か尋ねたところ、安い現代のバイオリンの方が評価が高く、ストラディバリウスなどはむしろ評価が低かった。

 研究チームは「今後は、演奏者が楽器をどう評価しているかの研究に集中した方が得策」と、名器の歴史や値段が影響している可能性を指摘している。
(2012年1月4日10時56分 読売新聞)

アンケートの結果とのことらしい。

音の研究としては、"can you hear the shape of drums"という有名な論文がある。
can you hear the shape of drums

音からドラムの形状を聞き分けることができるかという問題で、
Mathematics Illuminated | Unit 10| 10.6 Can You Hear the Shape of a Drum?
にある図のように同じ音を出す異なる形状の膜があることが数学的にしめされている。

こういうことを鑑みると、異なる楽器が全く同じ音を出すことは、数学的にはありえることだと分かる。

さて、バイオリンであるが、異なるバイオリンが全く同じおとをだすことはありえるのだろうか?

バイオリンは弦楽器である。音の発生源は弦の振動であり、高校生の物理にあるように弦の音の周波数は、弦の長さと硬さできまる。また、解として、周波数の整数倍である倍音も存在する。

バイオリンの音色を決めるのは倍音の割合だと思えるが、弦の方程式をいくら眺めても倍音を決める要素は全くない。

弦楽器は、弦の振動を共鳴板に共鳴させて音を出している。
倍音の割合を決めるのは、弦と共鳴板とのインピーダンス非線形性なのであろう。

実際どのような倍音が入っているのかということで、このようなサイトを見つけた。
http://www.sasakivn.com/werkstatt/qa/vnspectram.htm

このグラフをみると、倍音の入り方について何か法則をみつけやすそうな感じがする。
(適当な境界条件のもとでの非線形バネの問題でモデル化できそう?)

エレキギターの場合は、回路のインピーダンスによって倍音の入り方がきまりそうだ。

また、弦の素材によっても倍音の割合が変わるらしい。
http://www.soundhouse.co.jp/mi_maintenance/strings_material.asp

これはちょっと分からない。誰か教えて。