数学入門(代数)
遠山啓の数学入門〈上〉 (岩波新書)、数学入門 下 岩波新書 青版 396 「代数ーずるい算数」の項
最初に読んだのは多分高校生の頃。
次に読んだのは、学部2年生の時に駅前の本屋で見つけて、購入した時。
ちょっと気になったので、メモ。
旅人(湯川秀樹)
代数も好きであった。小学校の算術に、ツルカメ算などというものがある。まるで手品のような巧妙な工夫をしないと、答えが出ない問題だ。それが代数では、答えを未知数エックスと書くことによって、苦もなく解ける。論理の筋道をまっすぐにたどっていけばよい。
式が代りに考えてくれる。
少年アインシュタイン:「代数とはどんな学問ですか?」
おじさん(技師):「ずるい算術だよ」
算術では与えられた量から求める量へと進んでいって問題が解けるにくらべて、代数は逆の方向に進む。つまり、あたかもそれがよく知れているかのように、求める量から出発して、すでに分っている量へ、それが求める量であるかのように進んでいく。そして、結論もしくは方程式を立てて、それから未知の量を探し出すのである。これが代数のすぐれた点である。そして、算術ではとても解けないような大へんむつかしい問題もこの方法でとけるのである。
湯川秀樹、ライプニッツ、アインシュタインの言葉は分る。鶴亀算を小学生の時に経験、もしくは小学生の教えたことがある人なら、代数を用いないで、鶴亀算を解くのは如何に難儀なことだとわかるだろう。
面白かったのはニュートンの言葉
>代数は逆方向に進む。
p78
操作という考え方を数学に持ち込んだのはガロアだった。
中学までの代数は、操作としてみた時に、その操作は可逆なんだね。情報を潰さない。だから、ずるい算術として機能する。
追記
檜山さんの言っていた本はこれだろう。
「イチ、ニ、サン、イッパイ」の算数と分配代数 - 檜山正幸のキマイラ飼育記
無限と連続―現代数学の展望 (岩波新書 青版 96) 遠山啓
昔、読んだ記憶があるけど、手元にないのでさっそく注文した。新書だから安いね。