ジョブズのスピーチと、学部の卒業式中での雑談@廊下。

最近、ジョブスのスピーチを聞いてみました。

翻訳が間違っている所があるので、英語を見たほうが良いかも。

テキストはここ

スティーブ・ジョブズのスタンフォード大学での卒業式スピーチの英文解釈

学会準備で忙しいので、ちょとだけ。

3分

much of what I stumbled into by following my curiosity and intuition turned out to be priceless later on.

訳では「中退して、私が興味を持ったものは後で非常に価値のあるものになりました
ってなってるけど、

「興味と直感に従って行き当たったものの大半は、後で非常に価値のあるものになりました」
と訳すべきだと思う。めっちゃ重要なフレーズだし。



9分30秒あたり

Remembering that I'll be dead soon is the most important thing I've ever encountered to help me make the big choices in life, because almost everything--all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure--these things just fall away in the face of death, leaving only what is truly important. Remembering that you are going to die is the best way I know to avoid the trap of thinking you have something to lose. You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

まぁ、好きなことをやるって重要だよね。だって、どんなことをやっても、時間は等しく消費されていくのだから、好きなことをやっていたほうが後悔はしない。

修士で大学をでるつもりだったら、修士一年で就職活動をしないといけない。

修士一年になったとき、こう思ったんだ。

自分は物理も数学も学びきれてない。
ここでやめてしまえば、たぶん60で定年を迎えるときまで、学ぶことができない。

就職して定年を迎えて60になった自分を想像してみたんだ。たぶん、若い人に向かってこんなことを言っていると思う。

昔、大学院で物理とか数学とかを勉強していたんだ。でも、働かなくちゃいけないで、大学院をやめたんだ。

後悔に満ちて、なんて言い訳がましいんだ!!

all external expectations, all pride, all fear of embarrassment or failure

こんなものなんて重要じゃない。

You are already naked. There is no reason not to follow your heart.

就職活動先はとんがっている外資系だったんだけど、その面接に行く電車の中で、
「自分がやりたいと思う仕事から考えると、その会社で働くことは小さな目標を達成するにすぎない。もし、その会社で大きな仕事をする機会があって達成できるなら、その場所でなくてもできるはず。」
と考えてしまったのだ。

で、面接では業務内容とは離れたところに自分の興味があると言ってしまった。面接の場所が、ある意味

Remembering that you are going to die

だった。

不採用だったけど、良かったと思う。

following my curiosity and intuition

ができたのだから。



さて、最近、学部生に

「博士って大変なんでしょう?」
って聞かれたのだけど、僕は彼にこう答えた。
「いや、実は楽勝なんだけど、学部生の前ではつらそうな顔をして、博士は大変だっていわなくちゃいけないことになっているんだよ。」

「じゃあ、なんで今そんなことを言ってるんですか?」

「今酒を飲んだから。」




昨日、学部の卒業式があって、雑用に借り出されてたんだけど。
ある若い準教授との会話で、
僕:「研究者ってどうなんでしょうね。」
若い準教授:「趣味の延長で収入もまぁまぁ良くて、いい仕事だよ。」

僕:「じゃあ、研究者をやめたら、負けですね。」

あと、彼は、
「成長するのは今しかない、後は惰性だよ。」
とも言っていた。


そうなのかもしれない。ただ、「後は惰性」ってのが気になった。ある程度、うまくいくような仕組みをつくったら、惰性で成功を広げることができるのかも知れない。実験系だと研究をするにはマネージメント能力が重要になり、ラボのボスになるとマネージメントに時間をとられるようになる。

若い時にしっかりした研究をつんでると、どこに人と金を投資すれば研究成果になるか分かるのかもしれないし、実験系だと人と金を使うことが研究を進展させることは事実だ。

でも、細かいところの理解やブレークスルーは、現場で手を動かしている人の中で生まれると思う。その準教授は実験はしなくなったけど、理論は自分でやっていると言っていた。

どこだかで手を動かしていることは重要だと思う。

Jobsは、一回appleを追い出されたことによって、惰性がなくなったので、更に飛躍することができたのかもしれない。

新しいことに挑戦する機会を定期的にもうける必要があるのだと思う。

昔、とある深夜の映画を見てたら、こういう内容だった。

哲学者のインタビュー番組があって、若いカップルがそれを見ている。
「選択を迫られた時に、その人の本質がでるのです。」
若いカップルはTV業界の人で、その番組を見ながら、「こういうインタビューを取れる仕事をしたいね。」みたいなことを言っていて、ある低俗な番組をつくる豪腕プロデューサーを批判する。


しかし、女の方は、そのプロデューサーに気に入られてその人と結婚する。
男:「君も彼の番組は良くないって言ったじゃないか」
女:「あら、彼は素晴らしい人よ、批判しないで」

最後
哲学者の映像
「選択を迫られた時に、その人の本質がでるのです。」

うだつの上がらない男も、金につく女もどうしようもないけど、
「選択を迫られた時に、その人の本質がでるのです。」
は印象に残った。

なんでもないときに、立派なことを言う人はいるけど、いざ、行動が必要とされるとき、選択をしなきゃいけないときに、その人の本質が出る。

following my curiosity and intuition

Stay hungry, stay foolish

実践してこそ、本物。