場の古典論
学部3年生と「場の古典論」を読んだ。15時から19時までやった。
場の古典論を読みたいけど学部生だけでは読むのが難しいので見て欲しいと言われたのがきっかけだ。
初版が1939年だからかなり古い。名著なのは間違いないのが、相対論で使ってる数学が古くて読みにくい。初学者にとっての相対論の難しさはテンソル計算の不慣れによるところが多い。空間を考察する道具に微分形式を用いないのも理解を難しくする。
四次元空間にはベクトルと呼べるものだけでも、接空間のベクトル 余接空間(一形式) そのホッジ(三形式)がある。こういうものが文字の上げ下げだけで区別されるのは、混乱の元になるし、ボリュームについての考察が抜けてしまうのも問題だ。
とはいえ、記述は深い。
理解に苦労するのは整理されてないからだ。整理されてないものを理解するところが天才と凡人の違いなのかもしれないけど、学問は凡人にも理解できるようになる方向を目指すべきだと思う。
今まで分かってるとされてたことをより分かりやすいようにリファインする仕事も重要なことだと思う。混沌の中で仕事をするのも一つの物理のあり方かもしれないけど、綺麗な理解を探すのも物理のあり方だと思う。
説明を受ける側に才能を必要としない綺麗なプレゼンテーションは、それだけ深い理解のあり方を示しているのだと思う。