散逸流体の変分原理

 論文を改訂しました。前回から7ヶ月。ちょっと時間がかかりすぎた感がありますが、応用(粘弾性流体、二成分混合流体)や、散逸系でのネーターの定理の話など、それなりにボリュームアップしています。理論のエッセンスは、3.1節のSimple Dissipative Systemにあります。
 (たぶん)どんなに複雑な流体であっても、3.1節にある方法を使えば、散逸関数と内部エネルギーが与えられていれば、変分原理を使って流体の運動方程式を導出できます。3.2節はニュートン流体、3.3節は粘弾性流体、3.4節は二成分混合流体です。4節はハミルトニアン形式についての議論です。散逸系についてもハミルトニアン形式を考えることができます。
 Appendixでは散逸系でのネーターの定理について議論しました。ネーターの定理は、散逸系であっても全く修正を受けることがありません。ただし、ハミルトン方程式の方が修正をうけるので、それに伴い非散逸系と結果が変わることもあるとは思いますが、運動量保存、エネルギー保存については同じです。

”A Variational Principle for Dissipative Fluid Dynamics”