物理

ラグランジュ微分はリー微分

ラグランジュ微分はリー微分ってことについてのメモ。知ってる人は知ってるとは思うけど、そういう記述があまりない。たぶん、数学的な準備にそれなりに時間がかかるのが原因かと。1 流れ場というのは、四次元空間Mにある点pを別の点φ(p)に移す写像φとみな…

ネーターの定理に関するツブヤキ

ゆっくり考察する暇がないので、メモ。いろいろ指摘してくださったかたありがとうございます。ツブヤキはここ僕は、「ラグランジアンまたは作用について、その中の変数φについて連続的な変数変換Gがあれば、それはすなわちリー群であり、よってそれに付随す…

2011年夏の参加予定学会

今年は発表できる内容がそろってきたので、いろいろな研究集会に参加しようと思う。粘性流体の変分原理。応用も広い。変分原理からナビエストークスや二流体モデルを導出できる。既存の変分原理だとレイリーヤンやオンサーガーの変分原理があるけど、それだ…

流体の変分原理について書いたもののまとめ

とりあえずリンクだけ。気が向いたら整備完全流体 完全流体の変分原理 - hiroki_fの日記 PTP:ipap.jp - このウェブサイトは販売用です! -&nbspipap リソースおよび情報 RIMS共同研究「オイラー方程式の数理:力学と変分原理250年」:完全流体の変分法に…

Navier-Stokes方程式

ナビエストークス方程式がどのように導出されるかが気になったので調べてみた。 流体には5つの要素があって、密度:ρ,エントロピー:s,速度(3成分):vがある。これらが完全に解けるためには、5つの方程式が必要だ。 質量保存則で密度ρについて、エントロピー…

粘性流体の変分原理

とりあえずプレプリントを載っけてみました。 [1104.0866] A Variational Principle for Dissipative Fluid Dynamics散逸関数があれば、変分原理を通じてdynamicsが定まるようになっています。 主要なアイデアは2.1節にあります。たった一ページ半しかありま…

幾何と物理の超informalな勉強会のまとめ

告知:幾何と物理の超informalな勉強会 - hiroki_fの日記のまとめです。 各講演者の資料深川宏樹 「粘性流体の変分原理」 粘性流体の変分原理 - hiroki_fの日記 村田宗一「Lie対称性を用いた微分方程式の相似解の構成法」 [1] Souichi Murata and Kazuhiro N…

告知:幾何と物理の超informalな勉強会

超インフォーマルだけどやります。気楽に議論に参加しにきてください。参加お待ちしてます。 飲み会もやりますよ。 幾何と物理の超informalな勉強会日程:3月26日 土曜日 時間:13時半から17時半 場所:慶應大学矢上キャンパス(日吉駅から徒歩7分) 部屋:14−211…

放射性物質汚染

過去の記事なので、今の状況とあわないかもしれません。理論物理を勉強してますが、原子力発電所に関する専門家ではないです。ただ、現状の放射線物質汚染を極度に恐れている人たちがいるので、そういうものに関しては、定量的な考察で十分安全であるという…

幾何と力学

学会がつぶれたので、3月25日-28日の何処かで、インフォーマルな研究会を慶應矢上キャンパスでやろうかと思います。今のところ話す予定は、 後藤振一郎さん 「古典電磁気学の媒質中でのストレスエネルギーテンソルの決定法の提案」 僕 深川宏樹 「粘性流体の…

一般相対性理論のゲージ理論的見方(6)

続きを書くつもりはなかったのだけど、 一般相対性理論のゲージ理論的見方(5) - hiroki_fの日記 リー微分と保存則について - hiroki_fの日記 について、納得いかないという意見があったので、要点だけをまとめて書いてみようと思う。細かい計算はなし。駅の…

任意の多様体に大域的に座標を与えることはできるか?(できても筋悪)

追記:m−hiyamaさんがきれいにまとめてくれました。 座標ってなーに? - 檜山正幸のキマイラ飼育記 同相ではない写像(埋込みや射影)で結ばれたユークリッド・数空間の点(スカラーの組)を「座標」と呼ぶのは別にかまわないでしょう。混乱や誤解を招かない…

一般相対性理論のゲージ理論的見方(5)

http://www.r.phys.nagoya-u.ac.jp/~sgoto/さんが丁寧な指摘を下さったので訂正しました。大筋には変更はないです。もちろん、間違いがあればそれは僕の不理解によるものです。追記、リー微分と保存則について - hiroki_fの日記と内容がかぶってます。2年前…

熱力学、統計力学、情報理論

熱力学とは正月に実家に帰った時に親に質問された。「エネルギーEとエントロピーSは何が違うのか。」 この質問はこう言い換えても良い。「エネルギーEと温度Tは何が違うのか。」これは僕が小学生の時に抱いた疑問でもある。温度Tが高いと物体のもつ内部エネ…

完全流体の変分原理

論文が出版されました。誰でも無料で見ることが出来ます。 ipap.jp - このウェブサイトは販売用です! -&nbspipap リソースおよび情報完全流体の変分原理について議論してます。物理学会「大阪府立大学中百舌鳥キャンパス(2010/9/23(木)-26(日))」で発表しま…

完全流体の変分法

そろそろ研究についても書いてみようかなと思う。arXivにも置いてみた。 [1007.3093] Clebsch Potentials in the Variational Principle for a Perfect Fluidとりあえず京都の研究集会 「オイラー方程式の数理: 力学と変分原理250年」@京都大 部屋:420 期…

もう物理に微分方程式なんて古いよね。

京都の研究集会 「オイラー方程式の数理: 力学と変分原理250年」@京都大 部屋:420 期間:2010-07-12〜2010-07-14 RIMS共同研究「オイラー方程式の数理:力学と変分原理250年」 はなかなか刺激的な会だった。今回は自分も発表させてもらったのだが、そ…

マッハ原理について

マッハの力学史は古い本で初版が1883年。内容はニュートン力学の絶対空間についての批判である。ニュートン力学によると慣性系の中で特別な系として絶対静止系と呼ばれるものがある。よくよくニュートンの言説をみると、ニュートンは絶対静止系について注意…

なぜ、相対性理論なのか。熱力学と変分原理

なぜ、相対論で考えたいのかみたいなことを聞かれHal Tasaki's logW 1006、「カッコいいから」とアホな答え方をしてしまったが、なぜカッコいいかをここで、説明してみたい。相対性理論は、日常の感覚とはずいぶん異なる結論を出す。例えば、 ウラシマ効果:…

世の中が不可逆なのは、

田崎さんの日記Hal Tasaki's logW 1003を読んでたら こんなことが書いてあった。 このテーマの最終目標を、あえて仰々しく書くと、なぜ時間に向きがあるのかを、量子力学にもとづいて理解することだと言える。 ただし、「時間の向き」と言っても(なんで明日…

光子の裁判

細谷先生からおもしろい演劇の話を聞きました。 http://watanabemihoko.com/ticket.html 量子力学演劇 「光子の裁判」[原作] 朝永振一郎(1965年ノーベル物理学賞受賞) [構成・演出] 渡辺美帆子 [日程]2010年4月15日(木) 開場16時50分 開演17時10分[場所]…

確実性の終焉

最近、プリゴジンの本を読んでいる。コンピュータの計算能力の向上に伴って、非平衡状態をシミュレーションする研究も盛んだ。ここでは、シミュレーションの話を希ガスの話に限定したいと思う。希ガスのシミュレーションは、ざっくばらんに説明すると沢山の…

場の古典論

学部3年生と「場の古典論」を読んだ。15時から19時までやった。場の古典論を読みたいけど学部生だけでは読むのが難しいので見て欲しいと言われたのがきっかけだ。初版が1939年だからかなり古い。名著なのは間違いないのが、相対論で使ってる数学が古くて読み…

Lagrange 未定乗数法

拘束条件を課せられたときに、ある多変数関数の最小値または最大値を求める方法だけど、英語のwikiの説明がすごくわかりやすい。等高線を使った説明だけど、こういうイメージが持てるような説明は理解の助けになる。 Lagrange multiplier - Wikipedia

何を考えてたか忘れる。(物理学会@熊本)

最近、ブログを書いてない。 気がついたら、告知と報告だけ。忙しいこともあるけど、なんとなく書くことに慎重になってしまった。書くことに時間がとられるのが嫌だったりする。思いつきで書くと間違ったことを書く可能性が高いんで下書きに保存したりするん…

モンテカルロシュミレーション

秋の学生実験でモンテカルロシュミレーションを担当することになった。引継ぎということで、木曜日担当の先生の実験を見学させてもらった。机が空いてたので、その席で実際にシュミレーションを動かしてみた。学生はワークステーションにリモートでアクセス…

この世の状態を決める条件は?

学部一年くらいでならう力学だと 初期条件が与えられて、状態の発展は運動方程式に従う。つまり、現在の状態を決めてるのはそれ以前に与えた条件となる。ところが解析力学によると、初期と終端で与えた条件によりその間の状態が決まる。つまり、変分原理によ…

告知:Information Thermodynamics

東工大のワークショップWorkshop on Quantum Foundations for Young Researchers - hiroki_fの日記で 僕:明日、層圏トポスだから、講演聞けないんだよね。前々から興味あるんだけど、研究内容教えてよ。 沙川氏:いいよ。慶應まで行くよ。 僕:まじで?ありが…

Invitation to topological quantum computation

Topologyをどういう風に取り入れるのかと楽しみにしていた。 Topologyといっても、anyonのflipを紐の交差であらわしたり、∪を生成、∩を消滅としたり素朴な描象だった。 講師: Giacomo Marmorini(慶應義塾大学日吉物理学教室) 題目: 「Invitation to topolo…

Workshop on Quantum Foundations for Young Researchers

Workshop on Quantum Foundations for Young Researchers - From Mathematical Physics to Experimental Physics - に行ってきた。面白かった。人が集まる場所で議論をすると理解が早く進む。ボブクックのkindergaden quantum mechanicsの論文を知っている人…